日本ヴォーグ社『布で作る かわいいお財布』に掲載されたお財布3種類をご紹介します。
普段は、ただ何とな〜くな感じで制作する事も多いのですが(爆)さすがに雑誌掲載分はそんな訳もなく、きちんと理由あってこのデザインで製図しています。
いかに作やすい縫製方法をご提案出来るか・・・等、ものすごーく考えています。お財布って、ただでさえ難しいアイテムだと思いますので、何から手を付けたらいいか分からなかった方にも、ぜひチャレンジしていただければと思います。
L字型ハーフウォレット(作り方P54〜P56)
前面は4枚パッチワークしたデザインです。私はリバティを使用しましたが、もちろんお好みの生地でOKですし、1枚でお作りいただいてもOKです。
このパッチワークには理由がありまして、
難しいファスナー付けを縫いやすくする為、前・後ろパーツを個別にファスナーに縫い付ける方法にしたので、脇の繋ぎ目を違和感なく見せたい。なので繋ぎ目にデザイン性を持たせる為、パッチワークデザインにしました。
ちなみに、通常わたしが制作するお財布は1枚で縫製しているので、脇に縫い目がないんです。
また、金属ファスナーを長さ調整せず使用したい!
もちろん、コンシールファスナーでも良いのですが、何となく金属ファスナーの方がカッコイイ&丈夫そう(個人の見解)なので、私は普段から金属ファスナーを使用しています。ただ、金属の歯の部分をカットして長さ調節が必要になると面倒です。
が、前・後パーツをそれぞれ別々にファスナーに縫い付けるので、ファスナーの長さ調節せず既製品20センチファスナーが使えます!!!!!
このL字型財布は、とにかく表側の縫製の順番が大事になりまして、表・後ろパーツをバラバラの状態でファスナーに縫い付け、その後に本体の脇→底を縫製していきます。
私的には「これなら縫える(*゚ロ゚)!」と大発見な方法なんですよ。ぜひ金属ファスナーで作ってみて下さい。もちろんコンシールでもお好みで。
内側は、カードが3段バージョンです。小銭入れはオープンポケット。
長財布はハーフ財布の応用編です。
後ろ側はお札が入るサイズのポケットです。
内側は、カードが3段で横に2列。たっぷり収納です。
L字型財布は、あまり厚い生地だと縫い代など目立ってしまうと思うので、薄めの生地での制作がオススメです。シーチング、リネンなど。
文鎮口金長財布(作り方P78〜P79)
「文鎮口金」と言う名称の金属パーツを使用したお財布です。
私はボーダーのニット生地を表側に使用しマリン系で制作しました。お手本イメージなので少々殺風景ですが、どんどんアレンジしてみて下さい。大きめの柄の生地や、タグとかアップリケとかフロッキーシートとか。パッチワークも可愛いですよね。
後ろ側は、大きなポケット。
内側。カード入れは3段2列です。小銭入れはファスナー開閉。
このお財布のポイントは「蛇腹を挟んで大きく開くファスナーの作り方」です。特に難しくもないので、ファスナー付けのアレンジの1つとして参考になれば。
形のポイントは、口金より少し幅を広げるデザイン。
今回は、生地のフチをバイアステープで包む方法での縫製なんですが、口金と同じ幅で作るとカードが横に2枚入らないんです。なので、少し横を広げました。緩いカーブなので特に問題無くバイアステープも付けらると思います。口金付けもスポっとはめるだけなので簡単です。
こちらのお財布は、帆布や厚手のリネンやコットンなどがオススメです。口金に重さがあるので、しっかりした生地での制作に向いていると思います。薄手の生地で制作する場合は、厚めの接着芯を使用してみて下さい。
使用口金 文鎮口金19センチ 19cmN-136(内藤商事HP http://www.naitoshoji.co.jp/)
親子がま口ショルダー財布(作り方P72〜P74)
大容量のお財布ショルダーです。シンプルに帆布とストライプの厚手生地です。前ポケットには、カードが入ります。
デザインのポイントは「ショルダーを取り付けるDカンを持ち手に通して付ける」です。Dカンをデザインの一部として付けちゃいます。こうすれば、何かしらの打ち具とかも必要ないですし、デザイン的に無理がない!
内側。小銭入れの小がま口も大きく開きます。
大容量なので、スマホ(iPhone11)もすっぽり入ります。もちろん、お薬手帳等も入ります。このショルダーでお買い物はばっちりじゃないかと思います。
口金を付ける行程が難所かもしれませんが、子がま口を付けてから親がま口を取り付けるだけですし、この口金も生地がスポっとはまるので、はめ込みも思ったより難しくないかな〜と思います。
こちらのお財布も、帆布や厚手の生地での制作がオススメです。薄め生地での制作の場合は、厚めの接着芯を貼って下さい。
使用口金 INAZUMA 親子型がま口口金bk2188(INAZUMA HP http://www.inazuma.biz/)
3種類共通のカード入れは、こんなイメージです。
山折り谷折り・・・と、アイロンでくせ付けして
畳むとカード入れが完成。1枚布でカード入れを作ります。チマチマ切るのは面倒なんですよね。厚紙などを布に当ててアイロンを掛けると、真っ直ぐ折クセがつけられます。
お財布は手順が多くて難しそうですが、ひと行程ずつ、ゆっくり作れば大丈夫だと思います。自分だけのお気に入り財布を作ってみて下さいね。
絶賛発売中です。どうぞよろしくお願いいたします。
マリンドロップちゃん